太ることによって私がかかった病気
肥満と疾病
肥満になると多くの病気にかかる可能性があること全ての方がお分かりだと思います。
しかし「どんな病気なのか?」、「どれほど深刻なのか?」まで分かっている人はごくごく少数だと思います。
特に若い人ほど理解度が低いといえると思います。
若ければ体力があるので無理が利く、年齢的に肥満が引き起こす病気の因子の蓄積がまだ少ないなどの理由です。
病気の因子とはさまざまありますが、たとえば血中の脂肪やコレステロールなどがよい例でしょう。
しかし若い時からの無茶な食生活、運動不足は多くの場合中年期以降になると深刻な病気になる可能性を秘めているのです。
私は若いときは運動をやっていてせいもあり、食生活も無茶なことが多かったのですが、30歳になるかならないかの時に会社の健康診断で医師から、
【血液の○○のデータがよくないですね。それと体重を減らすべきです。もしこのままの状態で年齢を重ねていくと将来深刻な病気になる可能性が高いと思われます。】
と指摘されたのです。
聞いたときは「え~!そりゃ困る!」と思いましたが、結局は若さなんですね、そのままの生活が続き医師の指摘どおり深刻な病気が次々と私を襲ったのです。
↓ 恰幅がよいね!、では済まされないのです。
肥満の私がかかった3つの病気
前述した医師の忠告を無視して、私は結局以下の3つの病気にかかってしまい、最後の一つの「狭心症」は「手術があと1日遅れていたら死亡の確率が高かった」とまで言われるほどだったのです。
各疾病ごとに状況と治療についてご覧ください。
■目次
1.高血圧
33~35歳くらいでしょうか?
毎年の検診で「血圧が高い、しかも毎年続いているので明らかに高血圧の兆候あり。要治療」と言われるようになりました。
数値は上が160くらい、下が90~100くらいです。
実は28歳くらいから「少し高めですね」とは言われていましたが、両親が高血圧なのでそのせいだと思う、くらいにしか捉えていませんでした。
でも父はいつも血圧の薬を飲んでいましたし、親戚にも高血圧でいきなり倒れて亡くなった方もいたので私もだんだんと気にするようになりました。
受診して血圧の薬を飲むようになると幸い血圧は下がり始め、130~140/80代くらいに落ち着くようになりました。
まだ高い数値ですが、でも改善はされて来たので医師は、「あとは様子見と体重を減らすしかないでしょう。100gでも減らして下さい。」と言われたのです。
この時期あたりに別の記事で書いた夕食抜きや、夕食は水や炭酸水だけにする、と言ったダイエットをするようになったのです。
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確かに100gどころか2~3kgでも簡単に減るのですが、結局続きません。
ある程度体重が落ちると今度は、「ちくしょう!腹減って仕方ないぜ!」となりリバウンドの暴飲暴食をしたりして結局ダイエット前以上に体重が増えてしまったりしたのです。
それを繰り返して結局体重はほぼ変わらず、それどころか加齢とストレスによりじわじわと体重が増えていったのです。
血圧の薬は私の体にあっていたようで、体重が増えても血圧は思ったほど上昇せず「ギリギリ安全圏の血圧」が続いていました。
でも血圧の薬を処方してくれる家の近所の医者と馬が合わなかったんです。
理由などの詳細は省きますが、とにかくその医者に行くのが嫌になってしまい、しばらく通院しない時期が続きました。
薬は処方された分を飲みきって、その後薬を飲まない日が3週間くらい続いたのです。
その頃は自分自身でも「血圧が高いな」と自覚するようになりました。
高血圧を患っている方はご存知と思いますが、ある以上の血圧になると機械で測定しなくても頭が熱っぽい、軽い頭痛、変に暑いなどの感覚があり、そういう時はたいてい血圧が上昇しているのです。
ある日会社の会議室で、上記の症状が現れて汗が止まらなくなり同席の人から、
「○○さん(私のこと)。顔が真っ青ですよ。やばいです、保健室行きましょう。」
と言われて保健室に行き、保健師さんに全てを話しました。
保健室でしばらく休んだ後に、会社のすぐ近くの提携医院に連れて行かれました。
そして舌下(ぜっか)に錠剤を入れられて15分も横になっていると高血圧の自覚症状がなくなり、結局その日は職場の先輩が一緒に家まで着いてきてくれて早退となったのです。
もしかしたら冷や汗が出ていた時の血圧は200近くまで上がっていたかもしれません。
血管が破裂してもおかしくなかったかも?と思うとゾッとします。
その後私は会社の近くの医者に高血圧の診療を任せて転院することになったのです。
結局血圧の薬は今も(この記事を書いている時点)飲んでいますので都合20年は飲んでいることになります。
2.睡眠時無呼吸症候群
「睡眠時無呼吸症候群」という疾病をご存知でしょうか?
医学的にはSASなどと省略されることもありますが、一般的には【無呼吸】といわれています。
簡単に言うとこの疾病にかかると、
「夜しっかり寝ても昼間眠くて眠くてどうしようもない」
という状況になります。
実はこの疾病は大昔からあるのですが、知られるようになったのはここ20年ほどで、多くの医者も近年まで知らない人が多かったのです。
私はこの病気に40歳直前くらいにかかりました。
昼間の眠気は睡眠不足や疲労からくる眠気とは根本的に異なります。
あえていうと「失神するような眠気」です。個人差はありますが、ガムを噛んでも濃いブラックコーヒーを飲んでも全く効果がありません。
「堕ちる」という感じで眠ってしまいます。
私は職場で連日のようにあり注意もされましたがどうしようもありませんでした。
恐ろしいのは車の運転中でも起こりえるのです。
幸い運転をする仕事ではありませんでしたし、プライベートでも頻繁に休憩を取るので運転中の眠気は疲れ以外ではありませんでした。
世間にこの病名を知らしめたのは山陽新幹線の運転手の居眠り事件でした
運転手が運転中に居眠りをしてしまい、停車駅の所定停車位置よりも大分手前で列車が自動停止したというものです。
この時車掌は大分手前で停車してしまい、マイクで運転手に呼びかけても返事が無いので運転席に走って行ったら運転手が運転席で寝てしまっていたというものでした。
幸い新幹線は運転手に何か健康上の問題があったり、信号を見落としても自動的に制限速度まで減速したり、必ず必要な停車駅で自動的に停車するというシステムが備わっているので事故につながることは殆ど考えられませんが、本事案は当然大問題です。
このときの運転手は大変に体格のよい方だったらしく、報道では「体格がよい(太っている)=無呼吸になる」という図式を面白おかしく作り上げて盛り立てていました。
(この図式はイコールで繋ぐのは完全な誤りです)
では睡眠時無呼吸症候群(以下SASと略します)とはどういうことなのでしょうか?
以下に簡単に説明します。
1.肥満や顎の骨格の状況によって寝ている間に気道が塞がる、もしくは極めて狭くなり空気が肺に行き難くなるので脳が酸欠状態になる。
2.就寝中に脳が酸欠、ということは「脳が寝られない」という状況になる。
(脳は非常に酸素と栄養を大食いの器官であり、就寝中も大量の酸素が必要)
3.上記「2.」は言い換えると「寝不足」ということなので、朝目覚めが悪かったり日中猛烈な眠気が襲ってくる。
SASにはいくつか種類があるのですが、90数%は「閉塞型」と言われるもので前述した「気道が狭くなって脳が酸欠状態なる」タイプです。
つまり「寝ている間に首を絞められている状態」といえます。
↓ 喉奥が狭まって(閉塞して)空気が肺に行かない状況
画像引用元: Wikipedia
他には「中枢神経型」といって脳の睡眠に関する神経系統の異常、そして「混合型」はこれら2つが同時に起こる場合です。
閉塞型の半数~6割は「肥満が原因」といわれています。つまり全数が肥満ではないのです。
喉に余計な肉(脂肪)が付いてしまうので、寝ている間は筋肉が弛緩(しかん、たるむこと)して気道が塞がってしまうのです。
私はこのタイプでした。
なお私が昼間の眠気で悩んでいた時は世間では無呼吸の理解と治療が遅れていて医者さえも知らない人が多かったので大変でした。
ある近所の大病院を受診したのですが、「喉を広げる手術をしましょう。」といわれて10日ほど入院して全身麻酔の手術を受けました。
手術名は「軟口蓋形成術」とか言っていました。
手術時間は90分強だったと思います。
「麻酔しますね」と言われて手の甲に刺した針から生暖かいゼリー状のものが入って来たと感じたら意識がなくなり、気がついたら病室に戻る廊下を搬送中でした。
看護師さんに「ありがとうございました」と何度も言ったのを覚えています。
回復は順調でトラブルもなく無事退院できました。
でもなにぶん喉を切っていますので、冷たい水も染みるし食事もまともにとれません。
痛くて仕方ないんです。
痛み止めを飲んでいますが、飲食をすると痛みが来るので結構苦しみました。
医者に言ってバリウムみたいな見た目の栄養ドリンク(?)を出してもらったのですが、これは殆ど喉に染みず飲むことが出来ました。
結局喉の痛みが完全に取れるのに退院後3週間近くかかってしまいました。
しかし「このおかげ」で劇的に体重が落ちて、多い時は2週間弱で10kg落ちたと思います。
そして結果として食が細くなり体重はどんどん落ちて行き、昼間の眠気も皆無になりました。
でもこの手術の効果があったのは1年半~2年くらいだったのです。
その後はまた以前のように昼間眠くて仕方ないという状況に戻ってしまいました。
理由は手術で喉を広げても時間がたつとその部分が弛んで来て、また喉が狭くなってしまうからです。
この時代(そんなに昔ではありませんが)はよほどの専門医でない限り医者でも殆ど正しい知識がなかったのです。
そんな悪夢の日が蘇って職場では強烈な睡魔とたたっている時に、上司が以下のような話を聞かせてくれました。
「実は私も君と同じ睡眠障害なんだよ。でも昼間はまったく眠くない。理由はCPAPという鼻につけるマスクをして寝ているから。呼吸器専門のクリニックに行ったほうがよい。」
と。
そこで調べて評判がよいと言われる某呼吸器クリニックを受診したのです。
以下に呼吸器クリニックでの検査や私の体験などを書いておきます。
●受診しての検査
受診科は病院にもよりますが、おおむね「呼吸器内科」とか「呼吸器クリニック」などとなります。
どこでも診てもらえる診療科目ではありません。
検査は最低2泊の入院が必要となります。
・1泊目
頭のてっぺんから足の指先まで100箇所くらい(以上?)の電極をつけて就寝する。
これで無呼吸が起きているのかどうかがわかる。
これとは別に入院前、または検査時に「血中酸素飽和濃度」を測る。
手の指1本に洗濯ばさみみたいな機械をつけると数秒で血液中の酸素濃度が測定される。
痛みは全く無いので心配は不要。
夜中にトイレに行く時はナースコールで看護師さんを呼べば、100本にもなる電線を途中からコネクタで簡単に切り離してくれる。
・2泊目
1泊目と同様に全身に電極を付ける。
ただし今回はさらにCPAP(シーパップ)という鼻に装着するマスクを付けて寝る。
この機械は「部屋の空気をコンプレッサーで圧縮して強制的に鼻から空気を吸わせる」というもので、言い換えると「生命維持を目的としない人工呼吸器」のこと。
圧力のかかった空気が鼻から気道に入れば肥満などで狭まった気道を無理やり押し広げるので無呼吸が改善されて日中の眠気が無くなる、という仕組み。
2泊目の検査は「CPAPからの空気の圧力をどれくらいにすれば無呼吸が改善されるのか」を調べるのが目的。
↓ CPAP装置の一例
実際に私が家で今でも使っているもの
この2泊の検査で痛みを伴ったり針を刺したりの検査は一切ありません。
ただ全身100箇所近い電極をつけることと、CPAPの鼻マスクの違和感は相当なものですので、これを克服すれば問題はないと思います。
(感じ方は人により大きな差があります。)
入院費ですが、最初に紹介してくれた私と同様の症状を持つ上司が受診した大きな総合病院では2泊連続で入院して費用は約30万円(ただし20年以上前)、私が入院した個人経営の「呼吸器内科クリニック」では1泊約15000円、これを2泊だが2泊目は翌月にしなくてはいけないというルールでした。
翌月に、というのは理由は今でも分かりませんがたぶん保険関連のことでしょう。
私が最初に受診してから12年くらい経ちますので今は費用も変わってきていると思います。
●受診後の生活
受診してCPAPの適正圧力が決まると、機械を病院からレンタルして家で毎晩使うことになります。
旅行の時でも持っていくことが望ましいです。
今のCPAPは大きさも小さいですし、携帯用のケースも付いています。
ただし海外に行く時は特に外国側で「これは何だ?」と質問攻めに合う場合も皆無では無いようです。
最初は装着に違和感がありますが、慣れるしかありません。
なおCPAPは装着したその日から無呼吸がほぼなくなります。
つまり使った翌日はもう昼間の眠気はなくなるのです。
ただし毎月1度受診する必要があります。
医院、個人の健康状態によっては2~3ヶ月に1度でもOKというところもありますが、保険の関係上3ヶ月を超えることは出来ません。
CPAP治療は保険適用です。
費用は医院や人によって(他の治療もあるかとか)異なってきますが、私の場合は血圧の薬を含めて月に約5500円でした。
薬がなくて純粋にCPAPだけならば大雑把な額ですが月に3500~4000円くらいではと思います。
なお他の診療も同じですが、毎月受診するよりも2ヶ月に一度とかの方が一月あたりの支払額は低くなります。
これは医師と相談して決めて下さい。
面倒なCPAPですが、即効性があり副作用も皆無、しかもCPAPを使うと人によりますが「血圧が下がる」または「体重が減る」という効果があります。
私の場合は体重の変化はありませんでしたが使い始めて1週間くらいで血圧がどんどん下がっていきました。
だから以前から飲んでいた降圧剤の量を徐々に減らして行ったのです。
使用半年くらいで降圧剤の量は1/3まで減りました。
また明らかに睡眠が深くなるのが体感できます。
装着の違和感と毎月の受診(出費)を除けば体に関しては良い事尽くめです。
もちろん無呼吸の状況によってはCPAPではなくて簡易なマウスピースでよい人や、中枢型で薬が必要な人もいるとは思います。
また先にも述べましたが【無呼吸=肥満の人】ではありません。
当時の職場でガリガリと言うほど細い人が毎朝朝礼直後から机に伏して寝ている人を何人も見ました。
また検査入院した時、数人の方がいましたが私以外の方はすべて痩せていて、とてもスリムなお若い女性もいらっしゃいました。
だから無呼吸は細い人でもなるのです。
特に顎が尖っている骨格の人に多いとか聞いたことがあります。
また喉の閉塞だけでなく、中枢神経系に問題がある人もいるので決して肥満体型の人だけがなる、と考えてはいけません。
それと気をつけてほしいこととして、
CPAPで無呼吸は治りません。対処療法なので使うのを止めれば翌日から元に戻ります。
ということです。
肥満が原因での無呼吸であればCPAPで無呼吸が改善されても結局痩せなければ無呼吸は治らないのです。
あるタレントの方が無呼吸で苦しんでいて家族からもイビキがうるさい、と言われている方がいました。
番組内でCPAPを使って翌日から劇的に改善されて喜ばれていましたが、番組のナレーションで「このまま数ヶ月使い続ければ治ることでしょう」と言っていましたが、これは真っ赤な大ウソです!
おそらくそのタレントのイメージをよくするためのものと思いますが、テレビのようなメディアでこのようなウソを付くのは大問題と思いました。
CPAPで睡眠時無呼吸症候群は治りません!
忘れてはいけないことです。
睡眠時無呼吸症候群の症状は眠気だけではありません!
昼間の眠気があれば車や機械の運転をする人は大事故を起こす危険もあります。
でも無呼吸の症状は眠気以外の恐ろしさも含んでいます。
睡眠時無呼吸症候群で死ぬことはありません。
しかし死に至る病気を引き起こすことがあるのです。
それは心筋梗塞や脳梗塞などの病気です。
理由は「呼吸が止まる」→「血圧が高くなる」→「呼吸が回復」→「血管に高圧の血液が一気に流れ込む」、これらを繰り返すと血管に大きな負荷がかかり上記のような恐ろしい病気を誘発するのです。
だから「眠気だけなら我慢できる」と決め付けてはいけません。
また無呼吸で重症の場合は自分でコントロールできないほどの強烈な眠気に襲われます。
失神に近いほどの眠気なのです。
「毎晩十分に寝ても日中猛烈に眠い」、「家族に、いびきがひどくしかも、いきなりいびきや呼吸が止まることがあるようだ。」と言われたら恐らく9割方SASの可能性があるので専門医の受診を薦めます。
3.狭心症(1日遅れたら死んでいた!)
私が48歳くらいからでしょうか?
やや早歩きで歩いたり、連続した上り坂にかかると胸が苦しくなる感じを覚えました。
単に脈が上がっての息切れや動悸とは明らかに違う感じがしていました。
でも朝だけだし、少し経つと直るのでほったらかしにしていました。
ある年の人間ドックで、「あなたの心電図は心筋梗塞にかかり、その後自然治癒した形跡があります。覚えや胸の苦しさはないですか?」といわれました。
私は、「心臓病にはかかったことはないですが、朝歩いていると少し胸が苦しいこともあります。」と言ったら医師は「一度精密検査を」と言いました。
とりあえず心配なので病院で心臓の検査を受けました。
検査内容は、
●心エコー(超音波検査)
●胸部レントゲン
→心臓肥大などがわかる(らしい)
●心電図
●負荷試験
→正式名が分からない。3段くらいの小さな階段を上ったり降りたりを繰り返して、その前後で心電図を測る。
●採血
です。
結果は「過去に心筋梗塞を起こして自然治癒した痕跡がある。」(人間ドックの時と同じ)、「現在心電図に異常は見られないが、要観察」とのことでした。
とりあえず気に留めておきながらその後は通院はしませんでした。
しかし・・・
50歳も過ぎたころから、
■決まって朝に左胸を握りつぶされる感じがする。しかし10分程度安静にすると終息し、その後その日は起きない。
■胸の痛みがある時は、ほぼ同時に強烈な左肩の肩こりを生じる。
私は元々肩こりがないのですが起きる時は決まって左肩で、しかも不快感が物凄く腕をちぎって取ってしまいたいほどの感覚になります。
この肩こりも決まって朝に起きます。
これらの症状から「これはやばい・・」と思うようになりましたし、あちこちの商業施設などに「救急車の適正利用を!ただし胸が苦しいなどは遠慮なく!」などとステッカーやポスターが貼ってあるのが目に付き、「これって俺の症状じゃないか!」と思いつつ、医者に行けば「即入院!、即手術!」と言われるのが恐くて我慢してしまったのです。
とにかく朝起きてからの症状ですし、10分程度安静にすれば治っていたのです。
でもこの症状がまさに狭心症だったのです。
【参考:狭心症とは?】
心臓の表面(心筋)を覆っている血管(冠動脈)の途中が脂肪やその他老廃物などで詰まってしまい血液の流れが悪くなる病気。
心筋に血液を送る血管なので、これが詰まって心筋に血が行きづらくなると心筋の動きが悪くなり心不全を起こしてしまう。
狭心症がさらに進んで完全に血管が詰まってしまうと、心筋に血液が行かなくなり心筋が壊死して心臓停止もありえる。
これが心筋梗塞で、死亡率は(さまざまなデータがあるが)20~30%とも言われしかも救急搬送時に亡くなるケースも多いという大変に恐ろしい病気。
狭心症での入院と緊急手術
そして記憶に新しい昨年(2017年)の9月、朝4時に猛烈な胸の痛みで目が覚めました。
今までは痛みで目が覚めるということは皆無で、起きて20~30分経ってから痛みが来るということが多かったのです。
起きてソファーで休んでいても胸の痛みは一向に治りません。左肩の猛烈な肩こりも伴っています。
そうこうしている間に妻が起きてきて「どうした朝早く?顔が青いが大丈夫か?」と心配してくれましたが私は「大丈夫、トイレに行きたくて起きた」とごまかしました。
しかし症状は1時間も続き、「本当にヤバイ」と思ったのですがだんだん収まってきて何事もなくなりました。
妻は相当心配したらしく「病院行け!」といい、「ここなら見てくれるはず」という病院を紹介してもらい朝のうちに病院に向かったのです。
検査結果は狭心症で、足の付け根からカテーテルを心臓まで入れて詳細検査と可能な場合はそのままカテーテルの先端につけたバルーン(風船)で血管を広げて金属メッシュを入れて血管拡張治療を行います。
でも私の場合は詰まった血管が当初3本と思われていたのがカテーテルを入れたら5本もある重症でした。
結局そのまま緊急の心臓バイパス手術となり約一月入院してしまったのです!
この手術は今では全国どこでも行われていて特に危険もないのですが、体の三箇所を切開します。
それも(人によりますが)長さ約30cmの傷が3箇所です。
両足のふくらはぎのやや内側から移植用の静脈を採取、胸は喉のすぐ下からまっすぐ下に向かって切開し、肋骨を縦にズバッと切断し(医療用電気ノコギリ)、心臓に到達するのです。
かなりの大手術で私の場合は4時間半強かかったそうです。
術後の傷の痛みはなかったのですが、体中点滴の針(3箇所くらい刺されていた)や体液を抜くチューブ、尿管チューブなどがつながれて、2~3日に一度は採血や血糖値測定(指先に極小の針をパチンと刺す)があり、散々な目にあいました。
でも心臓手術というのは他に合併症がなければ手術した直後から胸の苦しさが取れるという劇的な症状の改善があります。
これはすごいことです。
体中針やチューブだらけでも胸の苦しさをまったく感じなくなりました。
そして驚くことに術後4日目からリハビリ開始で院内を点滴を持ったまま散々と言うほど歩かされ、10日もすれば軽いストレッチも開始です。
心臓手術後は「とにかく安静」と思っていましたが、それは昔の話で今はこれほどの大手術をしても「体を動かせ!」と指導されます。
そうしないと心臓の機能がどんどん低下してしまうそうです。
もちろんリハビリの専門家の指導の下で行わなければいけませんが。
散々な目にあいましたが、術後3ヶ月もすれば胸の骨は完全にくっつきます。(個人差あり)
それまでは胸を開く動きはしてはいけませんが、体に負荷がかからなければ生活に制限はありません。
そして入院中の品疎な食事と退院直前の栄養指導もあり体重が激減しました!
入院前後の約1ヶ月で10kgは落ちていますし、その後もじわじわと落ちています。
食事は3食しっかり食べていますし、運動は散歩、ストレッチなど軽いものだけですが2~3週間で1kgのペースかと思います。
かなりスローペースですがこれでよいと思います。
無理をすれば心臓に負担が掛かりますし、ダイエットの反動も来るからです。
この退院後のダイエットについては後日別記事で書きますね。
なお私の場合、入院が1日遅れたら死んでいた可能性が高いと医師に言われました。
皆さんも胸が少しでも苦しい、変な胸痛や肩こりがするなどありましたら直ぐに専門医の下で診療を受けてくださいね。
追記:
胸痛などのほかに、異常に体が浮腫むというのも心臓病の症状の一つです
手や足の甲、ふくらはぎ、顔などがたくさん水分を取ったわけでもないのにやけに浮腫んでいるという症状です。
理由は心臓が弱っていると(病気があると)余分な水分を体外排出する能力が落ちるので浮腫んでしまうのです。
よく、「飲みすぎちゃったから浮腫んだ」とか「最近太ってから浮腫んで来た」というのとは違いますが、見た目は同じです。
体のあちこちに大きな浮腫みがある、と言う場合は医者に行ったほうが良いと思います。